映画「君の名は。」雑感
2017年 1月 6日 金曜日
映画「君の名は。」を観て最初に思ったことは、アニメーションを映画館で観ることが、自分は初めてではないかと気づいたことでした。宮崎駿監督作品もDVDやテレビ放映で観ているので、最近のアニメそのものには親しんでいますが、大スクリーンで観ることは今までなかったような気がしています。新海誠監督作品は以前「言の葉の庭」という短編アニメをネットで観たことがあります。この全編に亘る雨水の表現の美しさに驚きました。言うなればアニメ描写の超絶技巧と言うべきもので、微細な空気の動きや雨の滴りが丁寧に描かれているのです。一幅の絵画のような画像表現は、それだけで観客を魅了してしまいます。今年早々に家内と観に行った「君の名は。」も全編を通して美しい描写に溢れていました。あらすじを書いてしまうとネタバレになってしまうので、そこは遠慮させていただきますが、大林宣彦監督の「転校生」を彷彿とさせる男女が入れ替わる発想の設定があり、また時空を超える荒唐無稽な設定もありで、スケール感も含めて大いに楽しめました。正直に言えば自分は後半途中のここで終わっても良かったのではないかと思うところもありましたが、思い返せば主人公が成長した最後の場面があった方が、観客に納得してもらえるのかなぁとも感じました。アジア諸国も含めて空前のヒットを今も記録している作品ですが、共通言語であるテンポやドラマチックな展開は、今後のアニメ作品に生かされるでしょうし、次世代の優れた表現をもっと進めていただきたいと期待しているところです。
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Tags: 作品, 映画
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