「柱陶」夜の制作開始

テーブル彫刻の木材の柱を覆う陶彫を「柱陶」と名づけました。柱陶は主にウィークディの夜に工房に出かけて制作をしようと思っています。昼間は仕事があるため、夜の制作は1時間から2時間くらいと決めていて、秋や春のような比較的気候のいい時期を選んでいます。2年前は真冬に「発掘~丘陵~」を制作していて、寒さで凍えそうでした。この時の経験から、夜の制作は季節を選ぼうと思ったのでした。10月になり朝晩涼しくなってきたので、予定していた通り仕事から帰って工房に出かけました。今まで何度も夜の制作をしてきて夜の雰囲気には慣れていたはずが、やはり蛍光灯に照らされた工房の空間は独特なものがあって、魔物が棲んでいるように思えてなりません。陶土に触れてしまうと、あっという間に創作の世界に引き込まれて、周囲の状況は見えなくなります。創作活動は不思議なパワーを秘めているなぁとつくづく感じます。夜の照明のほうが落ち着く作家もいるでしょう。作品に集中できる環境があるため、緻密な作業は進むのです。ただし、私の場合は長く集中力が保てないのです。昼間の仕事の神経疲れがあるのかもしれません。今晩は1時間程度で切り上げることにしました。公務員管理職と彫刻家、この2重の生活がバランスよくまわれば、たとえ1時間の制作時間であろうとも一日の充実感は味わえます。彫刻の制作工程を考えていると胸中穏やかではなくなるので、とりあえず足元を見るだけにして一日の心の充足を得ています。今はそれで充分と考えるようにしました。また明日も充実感を味わおうと思っています。制作のツケは週末に何とか解消できればと思います。

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