欧米の教育 日本の教育

先日観に行ったフランス映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」の中で、授業に臨む生徒たちが、それぞれ意見を出し合い、議論を深める場面がありました。他の欧米映画でも授業風景を扱ったものは、教師の一方的な教えだけではなく、対話形式の授業をやっています。ディベートも多く取り入れられているのがわかります。これは古代ギリシャやローマから脈々と続く西欧の教育方法で、教育ディベートまたは狭義ディベートと言われているものです。日本は明治時代から欧米に追いつくため、知識偏重教育を行ってきました。それでも明治時代は議論形式の教育がありましたが、戦後にはそれも下火になって、知識のみを伝授する詰め込み教育が主流になりました。日本人の奥ゆかしい体質にはそれが合っていたのかも知れません。最近になってアクティヴ・ラーニングが新しい学習指導要領に大きく取上げられるようになりました。自ら課題を見つけ、自ら解決していく力です。それとともに人の前でプレゼンテーションを行い、そのテーマをもとにグループでディベートを展開する授業方法が脚光を浴びるようになりました。国際化が進む中で、とりわけ表現力が求められていて、自己アピールによって国際社会の中で対等に渡り合う力を学校でも身につけさせようとするものです。ただし、前述した日本人体質の話で言えば、私たちは人との調和や協働が得意です。意見を戦わせることを好まない人も多くいるのではないかと思います。古代ギリシャから侵略の歴史に翻弄された民族と、海に守られた島国で平和に生きてきた私たちでは体質は異なります。逆に私たちは組織の活用が上手ではないかと思うのです。職場で働きながら世界の中での日本の立ち位置を考えて、今後の学校教育はどうなっていくのか、それによってどんな人材が私の職場にやってくるのか、今日はそんなことを思いながら過ごしていました。

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