週末 4つの展覧会巡り

週末になりました。久しぶりに家内と美術展に足を運ぶことになりました。午前中は東京都美術館で開催中の企画展2つ、午後は銀座の画廊でやっているグループ展と六本木の国立新美術館で開催中の公募展に行きました。まず上野の東京都美術館で開催している「ポンピドゥーセンター傑作展」では、20世紀の年代を追って、それぞれの時代で活躍した芸術家たちの痕跡を見ることができました。年代ごとに代表芸術家を選んで、彼らのコトバとともに作品が展示されていました。仏パリにあるポンピドゥーセンターには20代の頃に一度訪れたことがあります。当時はオルセー美術館はありませんでした。オルセー駅が廃構になっていて解体工事が進んでいました。そこに美術館が出来たわけですが、現在のオルセー美術館にある作品が一部ポンピドゥーセンターにあったように記憶しています。でも私の鮮明な記憶に残っているのはポンピドゥーセンターの広場に移築してあったブランクーシのアトリエでした。「ポンピドゥーセンター傑作展」では昔見た作品があったはずでしたが、ほとんど忘れていました。詳細な感想は後日に改めたいと思います。次に訪れたのは同美術館で開催していた「木々との対話」展でした。地下展示室に丸太を組んだ巨大なインスタレーションがあって驚きました。それが同展に入った動機でした。現代を代表する木彫作家5人の力作を堪能しました。これも感想は後日改めたいと思います。次に銀座に移動して、美術家連盟が所有する画廊でのグループ展を見てきました。職場に私と同じ二足の草鞋生活を送る職員がいて、彼が油絵を出品しているので見てきたのでした。余白を有効に使った抽象絵画で、制作途中で京都の庭園を見てきた話を本人から伺いました。空間を考えるのに庭園は参考になるのではないかと私も思いました。次に六本木に移動して国立新美術館で開催中の二科展に行きました。後輩の彫刻家がこのところずっと出品していて、彼の世界観がどのくらい広がったのか楽しみにしているのです。木彫による波紋のようなデザインは、技巧的にも優れ、重力を感じさせない軽快な造形に仕上がっていました。木彫の技巧では展示作品の中でも群を抜いていましたが、逆に技巧が目立ち過ぎる嫌いが出ていました。彫刻は技巧ではなく精神性を求めるものです。彼がある水準に到達した証拠ですが、実はそこから先が困難なのです。しかしながら彼の日々の鍛錬は凄まじく有能な彫刻家であることに間違いはありません。どんな壁でもクリアしていく彼のバイタリティは私を勇気づけてくれます。彼に背中を押されて、私も頑張ろうと思った一日でした。

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