ちょこっと休憩

職場から出張先に向かう途中で時間に余裕が出来ると、私はフードコートのような気楽なところで、お茶を飲みながらRECORDを作成したり、読書をするのが大好きです。出張先の会議に使う資料には目もくれず、たとえ30分でも自分自身になっていたいと思っています。会議になれば、自分の事情より議題が優先されて意見交換をしなければなりません。それは仕事人間としての自分であり、自分の心情などどうでもよい世界なのです。私は社会的な仕事と個人的な表現行為を分けて考えようとしています。どんな場面でもちょこっと休憩する時間があれば、私は自分自身に戻りたいと考えていて、創作できる素材を携帯しています。RECORD用紙と鉛筆やペン、手帳などが常時カバンにあってアイデアを書きとめておくのです。コトバを捻り出していることもあります。今朝は通勤するバスの中で、RECORDのテーマに添えるコトバを考えていました。今回のコトバはすべてひらがなでいこうとか、ひらがな表記ならこのコトバよりあのコトバの方がいいなぁとか、いろいろ頭を巡らせていました。実が熟すようにコトバも頭の中で醸成するものかもしれないと自分は思っています。紙にコトバを記すまでに段階があるようにも思えます。それは造形作品のイメージ作りと似ていて、幾度となく取捨選択を繰り返すものです。ちょこっと休憩は、完全なる頭の休止状態ではありません。寧ろ自分自身を取り戻し、創作活動を展開する充実した時間とも言えます。社会的な仕事と仕事の合間に自分を取り戻す時間を持つこと、これはストレスの解消にもなり、自分が社会人としてやっていくために心の隙間を有効活用する手段なのです。

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