ジョグジャカルタの世界遺産
2016年 8月 15日 月曜日
昨晩遅い時間にジョグジャカルタ空港から現地ガイドの車で、ボロブドゥール遺跡の公園内にあるホテルに来ました。周囲は真っ暗で、どこにボロブドゥール遺跡があるかわからず、連れてこられたホテルで一泊しました。夜明けのボロブドゥール遺跡を見に行くとガイドに言っていたので、5時前にロビーで待ち合わせました。何とボロブドゥール遺跡は歩いて数分のところにありました。芝生が美しく刈り込まれ、多くの観光客が集まっていました。石の階段を登りつめたところで、この巨大な仏教遺跡の全貌がわかりました。方形をした石造物の階段を登り、上から見下ろすことで、これは立体曼荼羅であり、仏陀の宇宙を表しているものであることが理解できました。つまり階段は欲望の世界から涅槃の世界へ導くものだったわけで、私たちは知らずに仏教世界に取り込まれたことになります。靄が立ち込める風景を見下ろしていると、山の稜線から太陽が顔を出しました。千切れた雲がその神々しい瞬間を演出していました。次第にボロブドゥール遺跡全体の壁に彫りこまれたレリーフが姿を現しました。ボロブドゥール遺跡の詳しい感想や考察は別の機会に稿を起こそうと思います。次に向かう予定のプランバナン遺跡の前に、ガイドの提案で小さな寺院に立ち寄ったり、コーヒーの製造工房に立ち寄ったりしました。猫マニアの家内は、コーヒーの製造工房が気に入っていました。というのは、熟したコーヒー豆をジャコウ猫が食べ、その糞を洗浄し、消化しなかった豆の皮を剥いて焙煎したコーヒーで、猫と結びついた独特な飲料コピルアクに家内は感動していました。そこにはジャコウ猫も飼われていましたが、どうもそれらは猫科ではないようです。午後になってプランバナン遺跡に到着しました。プランバナン遺跡はヒンドゥー教の寺院で、ボロブドゥール遺跡とは雰囲気が異なりました。2006年のジャワ島中部地震で甚大な被害を受け、今も修復が行われていますが、完成の目処は立っていないように思われました。巨大な石造物は2年前に訪れたアンコール遺跡群を髣髴とさせるものでした。ここでは壊れた石のブロックの中を歩きながら、綿密に計算しパズルのように石を組み合わせた当時の建築技法に思いを馳せながら、日が暮れるまで留まりました。夜になって空港に向かいました。ジョグジャカルタ空港からバリ島のあるデンパサール空港までは、暫し機上の人になりました。