出張に携帯する文庫本

日頃読んでいる書籍は重いので、私は宿泊を伴う出張には文庫本を持っていくことにしています。昨年もこの時期の関西出張には、カフカ著による「変身」を携帯していきました。今年もカフカにしようと決めていました。新橫浜と京都間の往復4時間の新幹線の中で読むには、日常とは異なる世界に遊べるのが良いと考えているので、絶望の生涯を送ったカフカの創作が最適と思っていました。「城」(カフカ著 前田敬作訳 新潮社)は、カフカの著作の中でも大作で、いかなる世界にも所属できない異邦人を扱った物語であることは以前から知っていました。きちんと読んだことがなかったので、現在読書中の書籍を中断して読もうと決めましたが、如何せん新幹線の中だけで読み終えるはずはなく、結局これも中断を余儀なくされてしまいました。こうして私の読書癖は、中途半端な書籍ばかりになってしまう傾向があるのです。読み散らかした書籍ばかりが山積みされている状態を何とかしたいと思っているうちに歳月が流れてしまうのです。だから出張に携帯する文庫本は選び放題でいっぱいあります。私にはあれもこれも読みたい移り気があって、そのうち何冊かは気持が離れてしまい、書棚にそのままの状態で放置する羽目になってしまいます。どこまで読んだか忘れている書籍もいっぱいあります。創作活動は完成を待たずに、新作をスタートさせることが意図して私が行っている常套手段ですが、読書に関しては意図せずに行っているだらしない面かなぁと思っているところです。

関連する投稿

  • 創作一本になった4月を振り返る 今日は4月の最終日なので、今月の制作を振り返ってみたいと思います。今月の大きな出来事は、長年続いた教職公務員との二足の草鞋生活にピリオドを打って、創作活動一本になったことです。これは自分の生涯の転機 […]
  • 週末 2月を振り返って… 今日で2月が終わります。週末で朝から工房に籠りましたが、今日の制作状況と併せて今月を振り返ってみたいと思います。今日は陶彫成形を1点、彫り込み加飾も行いました。晴天で梅の花が青空に映える一日でしたが […]
  • 創作一本の4月制作目標 基本的に毎日制作が可能な4月からの制作目標を、例年の慣習に従って立てていきたいと思います。毎日制作できるとなれば陶彫部品を集合させる新作は完成できるのではないかと思っています。今年7月に開催するギャ […]
  • 週末 1月を振り返って… 1月最終日になり、今月を振り返ってみたいと思います。今月創作活動がやれる期間として、まず正月の休庁期間が5日間ありました。その5日間を含めて週末のほとんどすべてを、新作の厚板材による土台作りに費やし […]
  • 2月 寒さが身に沁みる 2月になりました。相変わらず寒い日が続いています。最近、寒さが身に沁みるのは実際の気温だけではなく、私自身があと2ヶ月で退職を迎えることもあるからです。残された仕事はしっかり片付けておこうと思いつつ […]

Comments are closed.