仕事の後は美術館へ

ストレスのかかる仕事をした後、それをどう解消するか、人それぞれの方法があろうかと思います。少し前は私はスポーツ施設に行き、水泳でストレス解消を図っていました。五十肩が完治していない今は、美術や映画の鑑賞しかありません。そこで今日は勤務時間が終わってから、家内と橫浜駅で待ち合わせ、東京六本木にある森美術館に出かけました。「村上隆の五百羅漢図展」は前から見に行こうと思っていましたが、私自身が村上ワールドをあまり好きになれないことが、展覧会に行くかどうか迷いを生じさせた原因でした。相原工房に出入りしている大学院生が、村上隆が代表を務める有限会社カイカイキキで行っている制作現場に出かけてアルバイトをしてきたことが、村上ワールドを身近に感じさせた要因になり、それなら展覧会に行って見ようかと思ったのでした。アルバイトに行った彼女曰く、窓のない広大な建物の内部で、多くの美大生を雇い、壮大な作品を作っていて、全てシルクスリーンによる表現だと言うのです。スーパーフラットとはこのことを言うのかと思いました。彼女はあまりの労働の辛さに音を上げ、僅か5日間でアルバイトを辞してしまったと言っていました。制作は24時間体制でシフトを組んで行われ、短期間で超大作を作り上げる工房システムだったようです。そのスケールにも驚かされました。実際に見た村上ワールドは煌びやかな装飾に彩られ、巨大なスケールの画面にサブカルチャー的要素の強い五百羅漢が踊っていました。古来の日本絵画を村上流に仕立て直し、そこから迸り出るパワーにも圧倒されました。詳しい感想は後日にまわしますが、キラキラな作品を見た後で、私は少々毒気を抜かれてしまったようでした。

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