橫浜の「日本画の革新者たち展」
2016年 2月 15日 月曜日
展覧会に足を運ぶのに、予め見たい展覧会に時間を作って出かけていくことがあり、また何かのついでに見る展覧会もあります。時間を作ってわざわざ行ったのに期待はずれだったり、ついでに見た展覧会で印象的な作品に出会える場面があったりして、展覧会に行く動機と出会う作品は必ずしも一致しないように思えます。出会いは偶然が織り成す運命の悪戯のようです。先日、出張のついでに立ち寄った橫浜のそごう美術館で開催していた「日本画の革新者たち展」は、なかなか質の高い内容で、得をしたような気分になりました。福井県立美術館所蔵作品が中心でしたが、横山大観や菱田春草といった巨匠の作品に心が解放されました。日本画も西洋画の影響を受け、描写や空間解釈に新しい試みがなされたようです。今回の展覧会でとりわけ心引かれた画家は岩佐又兵衛で、私は初めて聞く名前でした。岩佐又兵衛は福井県に馴染みのある画家だったようです。細い描線を駆使し、細やかな風景や躍動感のある人物像など、極めて表現力の高い人だったことは、作品をひと目見て分かりました。群像の表現や水面の丁寧な描写を見ていると、岩佐又兵衛という画家のさらなる調査が待たれるところです。そごう美術館は日本各地の美術館の所蔵作品を今後も紹介していくそうで、横浜在住の私にとって大変有り難い企画だと思っています。地方の美術館に行くと、そこでしか味わえない素晴らしい名画に出会えることが暫しあります。郷土出身の芸術家を大切に扱っていて羨ましさを覚えることもあります。そんな出会いの機会を是非与えて欲しいものと切望しています。
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Tags: 展覧会, 散策, 画家
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