「夢の仕事」(a)・(b)まとめ
2015年 11月 17日 火曜日
「夢解釈」(フロイト著 金関猛訳 中央公論新社)第六章「夢の仕事」の(a)「圧縮の仕事」と(b)「ずらしの仕事」のまとめを行います。「圧縮の仕事」の発端は「夢内容と夢の想念とを比較するとき、探求者にとってまず明らかになるのは、そこで大規模な圧縮の仕事がなされたことだ。」と書かれており、その内容としては「見いだされた夢の想念のうちのほんのわずかな部分だけが、その想念に属する一表層要素を通じて代理的に夢に現れることを考慮するなら、圧縮は脱落を通じて起きると推定すべきだろう。つまり、夢は夢の想念を忠実に翻訳するとか、逐一投影するのではなく、夢の想念をきわめて不完全に、隙間だらけに再生すると推定できる。」とあります。その具体例として「植物学の研究書の夢」や「素敵な夢」「コフキコガネの夢」が次々に紹介されています。ここでひとつずつ取り上げることは出来ませんが、フロイト自身やフロイトの患者が見た夢を使って圧縮された部分を解き明かそうとしています。次に「ずらしの仕事」として「夢の想念における明らかに本質的な内容となっている事柄は、夢においてその代理を必要としないのである。夢ではいわば中心が別のところに移される。夢の想念におけるのとは異なる諸要素が中心点になり、そのまわりに内容が配置されるのである。」とあるのが、ずらしの導入説明です。「夢の仕事において発現するある種の心的な力によって、一方では心的に高い価値を帯びた要素からその強度が取り去られる一方で、低い価値しか帯びていない要素から、多重規定を手段として、新たな価値を帯びた要素が創出され、そうした要素が夢内容に到達すると考えられるのである。~略~夢のずらしと夢の圧縮が二人の職工長であり、私たちは、この両人が夢を造形する際の主たる働きをなすと考えることができる。」という一文をもって(a)「圧縮の仕事」と(b)「ずらしの仕事」のまとめにしたいと思います。引用ばかりになってしまいました。