週末 新作2点目の導入

夏に東京銀座で発表する陶彫作品は、大きめの新作を2点、小作品「陶紋」を数点出品しようと考えています。毎年の定番になっていますが、ギャラリーせいほうの空間を考えると、今回もこのくらいの作品量を必死になって制作しなければなりません。既に一番大きな陶彫作品には取り掛かっていますが、次なる陶彫作品をどうしようかと思案していました。今まで降って湧いた数多いイメージの中からひとつ選びましたが、そのイメージはあまりにも絵画的で色彩に溢れた画面構成が思い浮かんできます。これをどのようにして床置きの彫刻作品にしていこうか、思案のしどころかなぁと思っています。これを絵画作品にして壁に掛けてもつまらないと感じているからです。浮かんだイメージは、イメージ通りになるように素材や技法を選んでいくのが一般的で、通常は具現化するための一番効果的な方法は何かを考えていきます。制作では抵抗や摩擦の出来るだけ少ない方法で進めていくのが、作品を作る上での得策です。ただし、それが作品のクオリティーを上げられるかどうかは別問題です。慣れが生む緩慢な傾向は、どの作家にも共通していて、それならばいっそ抵抗や摩擦があった方が、緊張感のある優れた作品になるかもしれないのです。作品は精神の産物であるため、そこが創作活動のやっかいなところでもあり、面白いところでもあります。今日は新作の2点目になる作品に取り掛かりました。2センチの厚板を購入してきて、まずイメージ通りの画面を描くところから始めました。画面の中から立体性のあるものを抽出し、それを立体物として配置したらどうなるのか、絵画的イメージを分解し、構成要素のひとつひとつに凹凸があったらどうなるのか、色彩が織り成す印象の部分と即物的な素材の部分をどう関わらせるか、導入としては厚板への描写もままならず、今日の作業を中断してしまいました。明日も継続です。ちょっと苦しいところに突入してしまったかなぁと思い返しながら、明日へ希望を繋ぎます。

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