もうひとつの彫刻イメージ
2015年 9月 14日 月曜日
彫刻の新作に取り掛かる前に、現行作品の延長として湧いてくるイメージがあります。いくつものイメージが現れては消えていきますが、その中で頭に刻み込まれるイメージをひとつ決めて、新作にするための具体案をまとめるのが自分の流儀です。今まで自分はずっとそんな方法で作品にしてきましたが、現行作品の延長とは無関係に現れるイメージがあって、それも頭に刻まれて、夢の中で執拗に繰り返されているのです。以前のNOTE(ブログ)に書いた記憶がありますが、素材は廃品になった錆鉄です。牢獄のような鉄格子に寄り掛かる人体がモティーフですが、人体を形成するギリギリのところまで量感を削り取った痩せこけた彫刻です。頭部はありません。胴体にも穴が空いた屍状の人体になっていますが、鉄格子に捉まった手と床に立つ足はしっかり作っていて、そこに存在の意味を見いだそうとしているかのようです。どうしてそんなもうひとつのイメージに自分が囚われているのか分かりませんが、学生時代に塑造を自分なりに頑張っていたという自覚があるにも関わらず、充足感が得られていない自分の精神的な部分が、そんなイメージを呼び寄せるのかなぁと思っています。度々現れるイメージはRECORDにして記録していこうと思います。
関連する投稿
- 19’RECORD10月~12月をHPアップ 2019年に制作した最後のRECORD3ヶ月分をホームページにアップしました。2019年は「~の風景」というタイトルでRECORDを制作していました。10月は「分離の風景」、11月は「拡散の風景」、 […]
- 11月RECORDは「拡散の風景」 一日1点ずつポストカード大の平面作品を作っていくRECORD。文字通り日々のRECORD(記録)で、その日のさまざまなことが記録されていきますが、時間がない中で制作をしているため、その効率を考えて5 […]
- RECORD追い込み 一日1点ずつポストカード大の平面作品を作っている総称をRECORD(記録)と言っています。2007年2月から一日も欠かさず毎日制作していて、今年で13年目を迎えます。陶彫による集合彫刻を作り出したの […]
- 1月RECORDは「浮遊の風景」 「風景シリーズ」として始めた今年のRECORDですが、まず最初の1月を「浮遊の風景」というテーマで日々制作をすることにしました。私が創作活動の中心に据える彫刻は、空間の中に置かれる立体であり、それな […]
- 8月の制作目標 今月、職場では休庁期間を設定し、夏季休暇を取り易い状況を作っています。私も例外ではなく、今月は旅行も創作活動も共に邁進させていきたいと願っています。まず陶彫制作ですが、全体の計画として屏風の形式を採 […]
Tags: RECORD, イメージ, 彫刻
The entry 'もうひとつの彫刻イメージ' was posted
on 9月 14th, 2015
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.