「夢の歪曲」まとめ

なかなか読み進められない「夢解釈」(フロイト著 金関猛訳 中央公論新社)ですが、第四章のまとめをします。第四章では、第三章で論じられた「夢は欲望充足である」という内容を基に、複数の患者とのカウンセリングの中で、欲望充足に対する異議申し立てがあったことに関して、フロイトが返答し、また異議の本質を突き止めれば欲望充足を裏付ける解釈になることが主題になっています。文章を所々引用して、この章論のまとめにしたいと思います。「苦痛な内容の夢も、それを解明すると、欲望充足であるのが明らかになることには~まだ異議はあるにしても~十分な信憑性があるように見えてきたと思う。~略~夢にこうした不快感が繰り返し現れるからといって、だからそこに欲望はないということにはならない。他人には伝えたくない欲望や、自分自身でも認めたくない欲望はどの人間にもある。他方、私たちは、これらすべての夢にそなわる不快な性格は夢の歪曲という事実と関連づけてしかるべきだと考える。~略~夢の歪曲とは検閲行為であるという事実が証明されるのである。不快な夢の分析によって明るみに出された事柄すべてを考慮に入れれば、夢の本質を表す定式は次のように改めるべきだろう。夢は『抑え込まれた、あるいは、抑圧によって追い出された』欲望の『偽装をほどこした』充足なのである。」

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