恩師からの励ましの手紙

ここで言う恩師とは師匠の池田宗弘先生のことではありません。自分が勤めているもうひとつの職業での大先輩で、かつて管理職をしていて、現在は随想家として作家野間宏に関する文献を出版しておられる人です。かつて自分は公私に亘って並々ならぬ助言をいただきました。もう恩師は80歳かと思われますが、東京銀座まで足を運んで、個展を御覧になって、丁寧な励ましの手紙をいただきました。「『群塔』『丘陵』と全くシチュエーションが違って、調和が印象的でした。前者は貴君の厳しい創作意欲を、後者は円満な人格を、そして両者がメビュースの帯のように一体となって、作者の創造世界を構築していることに感心させられました。」という文面でした。身に余る言葉で恐縮ですが、2つの作品がもつ異なる世界観をこのように述べていただいて嬉しく思いました。こうしたことが自分の創作へ向かう原動力になります。自分の内面は自分で推し量ることが出来ず、自分の創造世界の成長も、自分でははっきりわかりません。寧ろ鑑賞された方々によって気付かされ、また確認することが多いと思っています。そういう意味でもずっと個展を見届けていただける方がいることを、何よりの幸福と感じています。また来年、何が何でも作り続けること、生涯現役で成長し続けること、胸に誓ってこれからの一歩を踏み出します。

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