過去の作品を考える機会

2日間の山梨県への出張は、思いのほか疲労が溜まっていて、今日は横浜に戻ってから工房に行くつもりでいたところ、夕方から寝てしまって結局作業は出来ませんでした。やっとRECORDに手を入れたところで、今日は終了です。ボンヤリと過ごす中で、創作活動への思いが頭を過ぎっています。疲労はただ休んでいても回復はしないものです。自分は造形イメージに取り巻かれていると、漸く疲労回復となるのです。ただし、新しいイメージはこういう時にはやってきません。苦し紛れで制作している時に新しいイメージが天から降ってくるのです。疲れて身体を横たえている時は、過去や現在の作品が頭の中でグルグル網羅されているですが、それでも表現力の不足を嘆く苦しさも一緒に思い起こされてくるのです。実際の作品を眼の前にすると、思っていたほどヒドいものではないなぁと感じたりするのですが、自分は作り上げた造形を否定的に考えている場合が多いのです。疲労で身体が動かない時は尚更で、今までやっていた作品を全て壊したくなる瞬間があります。時間を置くと作品に対して肯定的に考えられるようになり、疲労回復が図れるというわけです。若い頃のように突如発作を起こして、石膏像をハンマーで叩き割ることはなくなりましたが、過去の作品に対して厳しく考える癖は多少残っているのかもしれません。プラスに考えれば、まだ伸びシロが残っているということでしょうか。今日は過去の作品を考える機会が与えられたのだと思うようにしました。

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