「群塔」床置き再考

今晩も工房に来ました。目の前に置かれた陶彫部品の数々と木彫が貼り付けられた屏風7点、彫り始めた床置きの木彫の厚板。もう一度新作「発掘~群塔~」の全体像を整理して、完成のイメージの把握を試みました。カタチの取捨選択をどうするか、思えば過去の作品にもここの部分は無くてもよかったのではないかと思える箇所がありました。力み過ぎが、作品のもつ世界観や主張を妨げているとその時個展会場で感じたのでした。失敗ではないので鑑賞者にはわからない部分ですが、作者だけが拘るカタチの取捨選択です。では新作「発掘~群塔~」をどうするか、床置きの厚板を用意しているにも関わらず、そこを削除する決断、丸一日かけて作り上げた下書き、それらは無駄ではなかったと自分に言い聞かせながら、やはりここは無くしていく方向で仕上げていこうと決めました。自分の世界観を最大限に生かす配置方法を考えると、床には陶彫の塔だけが点在する方が良いと判断しました。因みに最後の窯出しも終わりました。全ての陶彫部品と「陶紋」が揃いました。残る制作工程は彩色です。彩色のために今後は準備をしていきます。「発掘~群塔~」の撮影日6月7日を目指して頑張っていこうと思います。

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