日常から生み出されるモノ

朝が来て目覚め、夜に床に就く日常の繰り返しに、ふと我に返って考えることがあります。自分は創作活動をやっていて、自分の生きた証を残してきました。振り返れば毎年制作している作品に、その時の自分の思考や心理状態が反映していて、この作品を作っている時の自分はこんな事を考えていた、職場ではあんなことで悩んでいた、作品自体にも技術的に不満な箇所があってイメージ通りに作れないことを嘆いていたことを思い出します。それは現在も続いていて、創作活動は決して日常から切り離されているわけではないと熟々思うこの頃です。時間は何もしなくても過ぎていきます。その時の刹那に満足していれば、苦労して自分の心情を刻むことなど必要ないと思えるはずですが、浮き足立つ多忙感の中で、自分の今を刻む意思は自分自身が驚くくらい頑ななものがあって、それをして創作活動に立ち向かわせているのだろうと思います。日常から生み出されるモノ、それは表現として非日常のカタチをとってはいるものの、やはり今を反映させるモノであることに変わりはありません。

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