舞台美術再び…

今日の話題は私のことではありません。私の家内は大学で空間演出デザインを学び、さらにウィーン美術アカデミーでは舞台美術を学んでいました。そんな家内が舞台美術の世界でプロにならなかった理由は、舞台美術家として職種確立が成されていないわが国の事情によるものと思っています。それでも若い頃の家内は演劇やオペラ公演のポスター等を作っていて、その世界に関わろうとしていました。舞台美術は装置、照明、衣装等が絡み合う総合芸術で、そこで繰り広げられるパフォーマンスとの関わりに絶妙な瞬間を与える媒体とも言えます。現在、家内は胡弓奏者として「おわら風の盆」の演奏をしていますが、来月に神奈川県海老名市で「おわら風の盆」のイベントがあり、そこの舞台美術を手がけることになったようです。再び舞台美術の世界に立つことになった家内ですが、演奏者と裏方の両方はなかなか苦しいらしく、時間の遣り繰りをしながら、今日も相原工房併設の野外工房で巨大な装置作りに励んでいました。私は昼間仕事があるので手伝えませんが、私自身も舞台美術に興味があります。学生の頃に見た前衛演劇の舞台は、空間を象徴化することの面白さを私に与えてくれました。今回の家内がデザインした舞台は抽象化されたカタチが宙に浮いたシャープな舞台です。来月になったら、工房に出入りしている若いスタッフと家内の舞台を観てこようと約束しているところです。

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