「千利休 無言の前衛」を読み始める

重厚なロシア文学を読んだ後は、軽妙洒脱なものが読みたくなって「千利休 無言の前衛」(赤瀬川原平著 岩波新書)を手に取りましたが、果たして軽快な評論かどうかは読んでみないとわかりません。ただ、赤瀬川原平氏の著作は不思議なほど分かり易く奥深いという先入観があるため、きっと難しい思想も面白く解説してくれているのではないかと期待しているわけです。率直で肩肘張らない文章は、時に目の前をパッと明るくしてくれて、噛み締めると深く頷いてしまうことが暫しあります。読み始めたら、やはり期待は裏切られず、僅か数行で読者を思いきり惹きつけてしまう文才は、他に類を見ないと思っています。以前から自分は茶の文化をじっくりと考えてみたいと思っていました。単なる茶を飲む行為を茶道にしてしまう日本独自の文化を自分は嬉しく思うところがあって、茶を飲む空間や道具まで全てが芸術的に統一される表現は、最終的に自分が極めていきたい芸術です。本書から学ぶところが多いと思うので、また通勤の友としてじっくり味わっていきます。

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