勤務後に味わう円空・木喰の世界

今日は午後に横浜駅周辺にあるビルで会議があったため、昼過ぎに職場を出ました。横浜駅の雑踏の中を歩いていると「そごう美術館」で開催されている円空と木喰の仏像による展覧会のポスターが目につきました。「微笑みに込められた祈り」という副題に誘われて、この展覧会を見たい欲求に駆られました。会議が終わって、勤務時間終了後に「円空・木喰展」を見に行きました。癒しを求めて見た仏像の数々でしたが、円空の木片に最小限の刀を入れた独特な造形の他に、かなり作り込んだ釈迦如来や十一面観音菩薩があって見応えがありました。鋭い円空に比べ、木喰は丸みを帯びた仏像で知られますが、自分が注目したのは木喰が仏像を彫り始めた時期です。木喰は56歳の時に廻国の旅に出立していて、61歳の時に初めて像を彫っています。さらに80歳の時に千体造像の祈願をして90歳で成就、その先に二千体造像の祈願をしたというのですから、その生命力と意欲に驚かされます。そんな木喰の生き方をもってすれば、自分なぞ取るに足りない小僧になるわけです。それぞれの木彫の感想は後日改めるとして、今回はウィークディに思いがけない展覧会に接することが出来て楽しい時間を過ごすことが出来ました。

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