週末 税務関係&制作

介護施設に入居している母は賃貸住宅をもっていて、その収益で施設での生活が成り立っています。祖父母や父が残してくれた僅かばかりの賃貸住宅が母の生活や心の支えです。そんな実家にはずっと前から税理士が出入りしていて、税務関係のことを一切賄ってくれています。母が去年4月に介護施設に入居したため、担当税理士が我が家に来ました。母の医療やその他の必要経費を差し引いた申告書を作って税務署に届けてくれます。私に時間的余裕がないため、母の実家のことは全て税理士にお任せしています。今日の表題で誤解が生じるとすれば、私の作品に対して税理士がいるわけではないことを言わなければなりません。私の作品が売れに売れて税理士が必要となる日がくるとすれば、それはそれで大変幸せで、自分は有頂天になってしまうでしょう。彫刻をやっている以上は一生適わない夢かもしれませんが…。公務員として稼いだ金銭を彫刻に費やす生活、これが私の紛れのない現実です。税理士との打ち合わせが終わって、私は今のところ納税とは縁のない創作活動に戻りました。昨日タタラにしておいた陶土の成形4点を行いました。版画の試し刷りもあったのですが、今日のところは手漉き和紙を湿すことにして明日の夜に刷ってみようかと思います。学生の頃から比べると版画には慎重になっています。もちろん陶彫の塑造にも昔より慎重になっていて、学生時代はどうしてあんなに雑多で無駄が多かったのか、自分でも信じられないことばかりですが、当時は勉強を始めたばかりで、勢いだけで乗り切っていた感もあります。版木や粘土を前にして30数年前と同じことをやっている自分がいて、これを幸福と言ってもいいのでしょうか。求める世界観はあまり進歩しているとは思えませんが…。

関連する投稿

  • 晦日に工房で過ごす一日 2011年も残すところあと1日になりました。今日は朝から晩まで工房で制作三昧でした。新作屏風の木彫部分が思い通り進まず、明日までの制作目標を修正せざるを得ません。例年こんなものかと思いながら不足して […]
  • プロレタリア・アート 1980年代にウィーンに住んでいたので、まだソビエト連邦を中心とする共産圏が隣国にありました。ハンガリーや旧チェコスロバキアに出かけていくと、広場にはよく労働者や兵士を賛美する具象彫刻のモニュメント […]
  • E.チリーダ展 今まで写真でしか知らなかった彫刻家のまとまった作品が見られると知って鎌倉の近代美術館まで行ってきました。チリーダは巨大なモニュメントを多く手がけている作家なので、どんな作品が日本に来ているのか興味津 […]
  • 自己満足の捉え方 自己満足をマイナス要素として捉えてはいけない、自己満足があるからこそ人は生きていけるのだと京都に住む版画家の友人から言われたことがあります。確かに自己満足というコトバを使う場面では、客観的評価ではな […]
  • 自画自刻自摺の版画 彫刻を学んでいた頃、自分は版画に興味を持ちました。ドイツ表現主義の影響で、キルヒナーやバルラッハ等が作った木版画の強烈なイメージが頭から離れなかったのです。それは日本古来の錦絵とはまるで異なる世界で […]

Comments are closed.