2015年 初窯入れ

「発掘~群塔~」の窯入れを行いました。2015年の初窯入れになります。成形した陶彫に彫り込み加飾を終えて、乾燥すること1ヶ月余りが経った部品が、現在20数点あります。そのうち4点を選んで表面処理を施しました。表面処理というのは、まず指跡を消すためにヤスリを掛け、その上から化粧掛けをして窯に入れるのです。今回は陶彫部品が大きいため4点しか窯に入りませんでした。今週は初窯なので、これ1回のみで窯の調子を見ようと思っています。例年は1週間に2回窯入れをします。1回の窯入れで3日、2回目3日かかるので、ちょうど1週間になります。これは二束の草鞋生活をやっている自分には好都合なのです。月曜日から金曜日は焼成期間と決めていて、毎週末に制作を行い、日曜日の夜に窯入れを行うと次の土曜日の朝までに2回分の焼成が終わっているのです。陶彫部品は大きさがまちまちで、窯にどのくらい入れられるのか、そのつど考えながら窯に入れています。この時期から暫くの間は燃料費が跳ね上がりますが、これは仕方ありません。陶彫の面白さは何と言ってもこの焼成にあります。炎の神のみぞ知る土の変貌が、緊張を伴って迫ってくるのです。自分の手塩にかけた分身を最終的に神に委ねる行為。こればかりは陶に憑かれた作家でないとわからないのではないかと思います。

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