「罪と罰」再読を始める動機

自宅の書棚には学生時代に放り投げてしまった書籍が数多くあり、この年齢になって漸く再読を始めている次第です。O・シュペングラー、A・ブルトン等の書籍に混じってロシア文学も書棚にあります。旧ソ連で20世紀初頭に興った構成主義に、若い頃自分は注目していました。表現主義とともにロシア構成主義に傾倒していたので、どうやら自分は北方民族文化に憧れる傾向があるのかもしれないと思っています。当時オペラ歌手の叔父がムソルグスキー作曲「ボリス・ゴドノフ」に出演したこともあって、ロシア文学を囓ってみようという意欲も持っていました。そこで読み始めた「罪と罰」でしたが、分厚い書籍の前で辟易して途中で止めてしまいました。貧困に喘ぐ学生が罪を犯して自己を問うという雑駁な導入部だけの記憶しかありません。これから「罪と罰」(ドストエフスキー著 工藤清一郎訳 新潮社)の再読を始めます。動機としては自宅に眠っている名作の再チャレンジで、名作の名作たる所以を知りたいと願うところです。先月まで奮闘していた哲学書ほど難解な語彙に悩むことはないと思いますが、偉大な文学を紐解くことで読破には時間がかかりそうです。年末の通勤の友にしていきたいと思います。

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