叔父の追悼会

三連休の中日は、3年前に他界した叔父の追悼会があるので、制作は早朝から2時間程度になりました。この三連休は制作時間が限られていて、だからこそ制作に集中して取り組まなければならず、出来る範囲の中で制作工程を先に進めるしかありません。亡き叔父はカント哲学者でキリスト教徒、そのため仏教で言う三回忌が今回の追悼会になったわけです。久しぶりに集まった親類縁者でしたが、終始打ち解けた雰囲気の中で、お互いの状況をじっくり話し合う良い機会になりました。実は哲学者の叔父が今も健在だったなら自分は話をしたくて仕方がないのです。叔父が亡くなった後になって、漸く自分は哲学に興味が持てて、様々な哲学者が提唱する芸術について、また死生観について考えが及ぶようになりました。これについて叔父の思索を聞いてみたいし、また学問に身を捧げるようになった叔父自身の動機をも知りたいと思うようになりました。自分の初の個展に現れた叔父は、この方向でやりなさいと創作活動の向かう先を示してくれましたが、今だったら叔父の短い投げかけに食下がり、もっと叔父からコトバを引き出すことができるだろうと考えています。やっと辿り着いた哲学のスタートライン、自分にとっては残りの生涯や創作活動に核を与えてくれる学問です。二束の草鞋生活に負けまいと走り続けて、ろくに考えもせず欲求のままに作り続けた作品に対し、漸く作りながら思考する、思考しながら作り出すことがわかってきたところです。今なら叔父は私の作品に何を感じ取ってくれるでしょうか。今日の追悼会であまりにも身近だった哲学者の存在を感じずにはいられませんでした。

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