アンコール遺跡群 その3

アンコール遺跡群の中で自分が一番見たい寺院は、今日訪れたタ・ブロム寺院でした。大きな樹木に覆われた寺院で、その根が建造物に絡まり、人工と自然が織り成す独特の景観を見てみたかったのです。タ・ブロム寺院は想像通りの悠久の時を刻んだ遺跡で、スポアンという巨大な樹木が根を張って遺跡全体を覆っていました。一幅の絵画を見ているようで、観光スポットとしては人気がある所でした。寺院は般若波羅蜜多像を祀ったもので、修復は最小限にしてあるようです。ガジュマルの近縁種が網の目状に遺跡を覆っている箇所もありました。まさに創造意欲を掻き立てられる景観で、長く滞在してスケッチしたいと思いました。次に訪れたタ・ケウは碧玉の塔という意味を持つ遺跡で、装飾がなく大きな石材が積み上げられたままの景観でした。上に昇る階段の段差が大きく急勾配でしたが、登山の好きな自分は家内を残して登ってみることにしました。頂上からの眺めはたいしたことはなかったものの、密林の中に佇む寺院を満喫しました。最後に訪れたスラ・スランは王や高僧が沐浴するために作らせた池で、現在は市民の憩いの場所になっているようです。空港に向かう前に現地ガイドの提案でオールドマーケット散策と伝統工芸学校見学がありました。土産購入の算段であったらしく、いろいろな店に連れていかれましたが、なかなかそこでお金を使うこと出来ず、職場の人たちに僅かな土産を購入したに過ぎません。今回のアンコール遺跡周遊では、創作的な趣向の他にさまざまな情報が入ってきました。遺跡修復がなかなか進まない理由やカンボジアの社会全体に関わる諸問題など考え始めたら収拾がつかなくなります。改めて社会問題で感じたことは書こうと思います。

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