アンコール遺跡群 その1

アンコール遺跡群に近いシェムリアップのホテルに宿泊し、カンボジア人の現地ガイドに遺跡見学の案内をお願いしました。現地ガイドの提案でアンコールワットに昇る朝日を見ることにしました。早朝5時にホテルを出発、夜明け前のアンコールワットに到着しました。正面から眺めるアンコールワットのシルエット、遺跡の後方から後光が射すように昇る太陽に暫し見とれてしまいました。遺跡は自分が思っていたより巨大でした。朝は神秘的な空気が漂い、やがて日差しが苔むして黒くなった砂岩を浮かび上がらせました。ホテルに戻って朝食を済ませた後、クメール王朝最古のロリュオス遺跡群の見学に出かけました。カンボジアは雨季を迎えていますが、今日は夏雲が広がる晴天になり、強い日差しの中をバコン、プリアコー、ロレイの3箇所の遺跡を見て回りました。9世紀から10世紀に建ったもので、レンガ作りの祠堂は崩れかけ、修復には相当な時間がかかりそうだと実感しました。参堂にはナーガという複数の頭を持つ蛇をモチーフにした石の欄干がありました。祠堂の前にはシンハという石作りの獅子を模した守護神がいましたが、いずれも欠損していました。バコンはピラミット型寺院としては最古だそうです。またプリヤコーでは蛇を食う半人半鳥のガルーダや門衛神ドヴァラパーラの浮き彫りが印象的でした。昼食はクメール料理を味わい、午後からはバンテアイクデイ、東メボン、ブラサートクラヴァンを見て回りました。バンテアイクデイは小部屋(僧房)のある砦を意味するそうです。上智大学遺跡調査団が入っていて紹介看板がありました。女神を意味するデヴァダーの浮き彫りが印象的で、観光ガイドに東洋のモナリザという異名の掲載がありました。夕方になってプレループ遺跡に登りました。ここは夕日鑑賞が定番だそうで、多くの観光客が日が暮れるのを遺跡の頂上で待っていました。太陽が西に沈む頃まで頂上で過ごし、夜になってシェムリアップに戻ってきました。夕食は宮廷舞踊を見ながら味い、盛りだくさんのプログラムを無我夢中で走りぬけた感覚を持ちました。

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