「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」
2014年 8月 4日 月曜日
自分の個展が開催された先月中旬に、ギャラリーのある東京銀座に行く前に六本木に立ち寄り、国立新美術館で開催されている「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」を見てきました。職場においてあった新聞の記事で知り、面白そうと思ったのが展覧会に行く契機になりました。バレエ・リュスはロシアのバレエ団で、セルゲイ・ディアギレフによって20世紀初頭に結成され、多くの芸術家が関わり、一国を超えた文化の発信となったようです。展覧会場はオープンスペースの空間を確保し、全体的に暗くしてありました。それぞれの衣裳に照明があたって、布に施した刺繍や染め抜いた色彩が大変美しく、またデザインの斬新さが眼に焼きつきました。衣裳がこれほど面白いとは思っても見ませんでした。バレエによっては衣裳をシンプルにして、身体動作を際立たせる方法がありますが、今回展示されていた衣裳は、衣裳だけで鑑賞できるものばかりで、美術的な要素の濃いものでした。舞台装置に興味のある自分にとっては嬉しい企画でした。キュビズムのブラックや未来派のデ・キリコ、フォービズムのマチスやドラン、シュルレアリスムのマッソンらがデザイナーとして参加しているのも興味深いものでした。
関連する投稿
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
- 「種村李弘の眼 迷宮の美術家たち」展 先日、東京の西高島平にある板橋区立美術館に行き、表記の展覧会を見てきました。故人である種村季弘は、私が滞欧中に親しんだウィーン幻想絵画を取り挙げた文学者で、深層心理に働きかけをするドイツ・オーストリ […]
- 週末 個展終了して美術館巡りへ 昨日、ギャラリーせいほうでの私の個展が終了しました。反省はいろいろありますが、ともあれホッとしたことは事実です。個展開催中は自分が会場にいなくても気がかりでなりませんでした。やはり終わってみると一抹 […]
- 「もの派」を考える 素材に何も手を加えず、ギャラリーの空間に放置する展示方法を自分はどのように考えるか、現代に至る造形思想史を辿れば、「もの派」の登場した背景がわかりますが、これを美術に関心の薄い人々はどう見るのでしょ […]
- 「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展 昨日、表題の展覧会に行ってきました。新聞報道等の宣伝効果で多くの鑑賞者が訪れていました。1室目と2室目は足を踏み入れた時の雰囲気に圧倒されましたが、展示されていたひとつずつの作品からはあまり感銘を受 […]
Tags: ギャラリー, 展覧会, 芸術家
The entry '「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」' was posted
on 8月 4th, 2014
and last modified on 8月 5th, 2014 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.