「図」の誕生について
2014年 7月 9日 水曜日
「たとえば三万年以上も前の人間のはじめての図示表現は、リズミカルな刻みであった。またピアジェは、幼児にみる感覚運動的シエマの初期の形態も『いろいろリズム構造』であることを発見している。このふたつのリズムは交わりあっているのだろうか。そうだとしてもそのリズムはどこからきたのか。われわれの身体の内部、筋肉の動きや心臓の鼓動という生物的な構造からきたかもしれないし、天体や季節の周期性からきたかもしれない。とにかく『図』は単純に知覚を道具に世界を反映しているというだけのものではなく、その構造にわけいって、先をたどりはじめると、ほとんど人類の誕生や宇宙の生成というところまでつづく時間のトンネルのなかをくぐりぬけていくことになろう。」引用は現在読んでいる「視線とテクスト」(多木浩二著 青土社)からです。「図」と「ことば」についての関わりをさまざまな資料から多面的に論じたもので、「知覚と表記(理性)のたわむれ以上の総合的構造」を求めた著者の意図がよく伝わります。
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Tags: 書籍
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