椅子に関する考察
2014年 7月 7日 月曜日
現在読んでいる「視線とテクスト」(多木浩二著 青土社)に椅子に関する論考が掲載されていたので、興味を持って熟読しました。私は椅子やテーブルに学生時代から関心があり、若い頃は工業デザイナーを目指した時期もありました。本書には椅子の座る機能と同時に意味論まで総括されています。椅子を文化として捉えた背景が伺える箇所を引用します。「北欧の森のなかでは人間は枝のついたままの幹を切り、幹を二つに割って下面に出た三本の枝を脚としたスツールをつくっていたといわれる。このハンドワークとしてはもっともプリミチーフなもののなかにもはや単なる転用をこえた道具の制作がみられる。それはもはや自然物ではない。このような道具は自らがそのなかにいるあらたな人工物による世界を開示している。はっきり、人工物としての椅子、道具としての指示性の記号を身におびた道具=椅子がうまれ、これに座るようになったとき、自然物をそのまま転用した〈野蛮〉に対して〈文化〉と見なすことができるし、そのころから、座ることの文化的ーつまり社会的、制度的な意味が生じてくるのである。」
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Tags: 書籍, 木材
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