京都の「高橋秀」展
2014年 5月 24日 土曜日
2泊3日の関西出張の2日目です。仕事の合間に平安神宮の近くにある京都市美術館で開催されている「高橋秀 気への形象」展を見てきました。高橋秀氏は早くから安井賞画家として出発し、長きに渡ってイタリアに在住していた画家で、私も学生時代から抽象的な画風を知っていました。オリジナル作品を観るのは今回が初めてでした。大画面に単純明快な構成とよく練られた色彩。最近作は金箔・銀箔を多用し、そこにドリッピングしたアクリル絵の具を用いて、どちらかというと日本の伝統的な感性を刺激する要素に溢れた作品群でした。厚板を加工し、そこにカンバスを張って大きな画面を作って平塗りを施す、という制作工程は絵画というよりレリーフに近いもので、筆致を排除した乾いた潔さを感じさせてくれます。イタリアの風土からの影響もあるかもしれません。陽のあたる道を邁進してきた84歳の現役画家の枯れることのない豊潤な世界を今日は堪能しました。
関連する投稿
- 「描かれた空想美術館」を読んで 昨日は何故ホルスト・ヤンセン展の回想を書いたかと言えば、今読んでいる種村季弘著「断片からの世界」にヤンセンの評論が掲載されていて、20数年前にウィーンで知った卓越した素描画家の様々な面を知ることがで […]
- ウィーン美術アカデミー名作展 ウィーン美術アカデミーは母校です。とはいえ、やはり外国人である自分は学生同士の繋がりも希薄だったため、日本の学校のように胸を張って母校と言えないところがあります。でも1980年代に在籍していました。 […]
- 旧ユーゴの画家ジェネラリッチ 旧ユーゴのヘルビネ村でジェネラリッチさんという売れっ子画家にお会いして、自宅兼ギャラリーで作品を見せていただきながら、趣味の卓球のポーズをして記念写真を撮りました。もう20数年も前のことなので、ご存 […]
- 横浜の「下村観山展」 今日は朝から工房に篭って制作三昧でした。少しずつ調子も上がり、休庁期間の残り2日間を有効に過ごしたいと思っています。夕方まで作業を精一杯行い、その後は家内と車で地元の横浜美術館に出かけました。現在「 […]
- 「礒江毅 グスタボ イソエ」展 先日、東京練馬にある区美術館で表題の展覧会を見てきました。礒江毅は2007年に53歳で世を去った夭逝の画家です。礒江毅は1954年生まれ、私は1956年生まれですからほとんど同世代なので、自分として […]
Tags: 作品, 展覧会, 画家, 留学
The entry '京都の「高橋秀」展' was posted
on 5月 24th, 2014
and last modified on 5月 26th, 2014 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.