上野の「キトラ古墳壁画」展

東京上野の国立博物館で開催されていた「キトラ古墳壁画」展は昨日で終わってしまいましたが、滑り込みで見ることができました。見に行って良かったと思っています。自分が想像したより壁画が小さかったこと、精巧に描かれていたこと、意匠の面白さ等、強く印象に残る内容でした。鳥を表した「朱雀」、亀と蛇が絡まった「玄武」、虎を表した「白虎」、龍を表した「青龍」の4点のうち、自分はとりわけ「白虎」の表情と姿態に豊かな想像力と卓越した筆致を感じました。尾が後ろ脚に絡まって先端が跳ね上がる姿は、古代中国で好まれた図像だそうで、大陸からの影響が強いと考えられます。「朱雀」の翼を広げた姿態も美しく、頭部から羽根へ流れる描線は美しく力強いと感じました。「キトラ古墳壁画」の保存のため取り外しに用いた道具が、図録に掲載されていました。小さなダイヤモンドワイヤー・ソーや各種の道具を、用途によって改良していった様子も書かれていました。製菓道具も含まれていたというのも研究者達の工夫の賜物と思いました。

関連する投稿

Comments are closed.