興味深いベルリン滞在記
2014年 5月 16日 金曜日
森鴎外、寺田寅彦、山田耕筰、小山内薫、村山知義、千田是也、和辻哲郎、山口青邨の8人が書籍や展覧会、音楽会等を通して自分が名前を記憶しているベルリン留学に纏わる人々です。「言語都市・ベルリン」(和田博文・真銅正宏・西村将洋・宮内淳子・和田佳子共著 藤原書店)には25人のピックアップがありましたが、どの滞在記を読んでも興味深く、また19世紀から20世紀初頭にかけて、さまざまな思いを抱いて彼の地で過ごしていた日本人がいたことに感銘を受けています。25人のうち自分が名前を知っている8人の中で一番身近に感じている人は村山知義です。村山知義はいわゆる現在で言うマルチアーティストで、最近大きな展覧会が開催されて、自分は村山知義ワールドを堪能したばかりです。造形美術の側面から自分は村山知義に近づきました。具象から構成主義に至る過程を作家自らが提唱する実践と理論を通して学びました。これは村山知義のベルリン留学で得た成果が発端になって展開された世界観ではないかと思っています。「言語都市・ベルリン」では留学生活の日常が描かれています。ベルリンでも日本人社会が存在し、留学生の中ではドイツ人に積極的に馴染もうとする人々やホームシックに悩む人々がいて、自分が1980年代にいたウィーンと大差がないように思えて、親近感を持ちました。
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Tags: ウィーン, ドイツ, 日常生活, 書籍
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