「ツァラトストラかく語りき」下巻を読み始める

「ツァラトストラかく語りき」(ニーチェ著 竹山道雄訳 新潮社)下巻を読み始めました。ここで漸くニーチェ独特の永劫回帰の思想が著されることになります。永劫回帰とは何か。ネットで調べてみると「時間は無限であり、物質は有限である」という前提のもとで、現在の世界が一回性のものではなく、過去や未来にも繰り返されるという、言わば円環的構造をもつ思想のことだと書いてありました。自分はこれは思想と割り切りながらも、どうもしっくりいかないのです。ツァラトストラを介してニーチェは何を主張したかったのか、これからの人生を有意義に生きる方法やら気づきがそこにあるようにも思えず、誰も気にしないところに拘っているようにも感じてしまいます。ショーペンハウワーを読んだ時には、厭世主義から転じて活力ある何かが迸るような気持ちになりましたが、ニーチェの求めるものは何でしょうか。コトバが勢いをもって思想を舞い上げるイメージを感じますが、その帰結点はあるのでしょうか。ニーチェには問いかけがあるだけと書いてあった評論を思い出します。ともかく下巻を読んで、自分なりのニーチェ像を捉えてみようと思います。

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