肌寒い夜の工房

このところ仕事帰りに工房に出かけています。夜になると工房はめっきり冷え込みます。3月になっても肌寒さを感じるこの頃ですが、工房の寒さは外と同じです。工房は農業用倉庫として建てたため内壁がありません。ストーブひとつでは寒さに敵うわけはなく、夜の作業は1時間が限界かなぁと思っています。ただ集中力だけは増してきます。照明が手元を照らすので、そうした心理が集中力を高めるのではないかと思っています。夜は主に彫り込み加飾をやっています。表面的な細かな作業が向くように思えるからです。蛇口からお湯が出ることが寒さ対策として有効です。陶土は冷たくて手が悴んでしまうので、お湯で手を温めながら作業しています。ただし気分は上々です。よくぞこの環境を手に入れたものだという嬉しさもあって、寒さ以外は苦になりません。FMヨコハマから流れる音楽を聴きながら、黙々と作業するのが自分の性に合っていると思っています。職場ではコミュニケーションを図ることが大切と考えて日々実行している自分が、ここでは素の自分になって物言わぬ素材と向き合っています。肌寒いひとりぼっちの工房ですが、内面の充実があって孤独感はありません。

関連する投稿

  • 週末 創作へのモチベーション 昨日までは梱包用木箱作りと陶彫部品の梱包に励んでいましたが、今日は来年に向けた新作の陶彫制作を行うことにしました。今月の個展が迫っているので、その準備として梱包をやっていたのですが、そればかりやって […]
  • 週末 連続した制作の日々① […]
  • 週末 連続した制作の日々② 日曜日になりました。今日は朝から2人の美大受験生が工房に来ていました。東京にコロナ渦の緊急事態宣言が出されたことで、ゴールデンウィーク中に行こうと思っていた東京の美術館が臨時閉館されたことを、彼女た […]
  • 春分の日 墓参り&陶彫制作 今日は週末でもありますが、春分の日です。春分の日はそれぞれの仏教宗派で「春季彼岸会」が行われ、墓参りをする人も多いようです。夏にあるお盆は先祖の霊がこの世に戻ってくるのに対し、お彼岸はこの世から浄土 […]
  • 二足の草鞋生活最後の日 3月最後の日曜日になりました。来月から週末のたびに創作活動をしなくて済むため、今日が二足の草鞋生活最後の日となりました。私は20歳の時に彫刻の魔力に取り憑かれて以来、生活費を稼ぐのは別の手段をとり、 […]

Comments are closed.