「意志と表象としての世界」読後感

ついに「意志と表象としての世界」(A・ショーペンハウワー著 西尾幹二訳 中央公論社)を読み終えました。ショーペンハウワーは本書を再読をするように読者に呼びかけています。たしかに論理が込み入った難解極まりない箇所も随所に見られましたが、自分は冷却期間をおきたいと考えます。本書はショーペンハウワーが30歳の時に上梓し、その後亡くなるまで手を入れ続けた大著作ではありますが、全体を通して一つの思想を伝えたいのだと主張しています。最後に掲載されていた序文から抜粋します。「どの部分も全体によって保持されるのと同じくらいにどの部分も全体を保持していて、どの部分が最初だということもなければどの部分が最後だということもなく、いかなる部分を通じても思想の全体は一段と明瞭になるのであり、もっとも小さな部分ですら、あらかじめ全体がすでに理解されていなければ、完全には理解されえないといった、そういう有機的な連関でなければならないわけなのだ。」という「意志と表象としての世界」編集全体を構成する要素が述べられています。若い情熱と着想当初の気力で論じられた前半と、人生経験を積んだ着想の円熟と完全な彫琢で論じられた後半には、一貫性に欠ける要素が確かに見て取れますが、双方は互いに補足しあう関係だと著者は述べていて、読者にも理解を示して欲しいと言っています。さらに本書を理解しうるにはカントの教説を読むように促しています。真理に触れること、それに優るものはないと締め括っています。ここにきて亡き叔父の研究したカント哲学に漸く近づいたわけですが、自分はカントを暫し傍らに置くことにして、再びニーチェに戻ることにしたいと思います。カントは避けて通れないのかなぁ…と思いつつ。

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