胡弓演奏と彫刻制作

日曜日は家内が胡弓の練習に行く日です。私は工房に篭って朝から夕方まで彫刻の制作に明け暮れています。工房での制作が終わる夕方6時頃に、家内から連絡があり、駅まで家内を車で迎えに行くのが日曜日の日課になっています。最近、家内の演奏関係の知り合いが亡くなって、家内は落ち込んでいました。夕方になって駅まで迎えに行くと、亡くなった人への想いを胡弓の調べに乗せて演奏してきたと家内は言っていました。自分には楽器があって良かった、表現の幅が広がったとも言っていました。とりわけ邦楽器は即興的な演奏をするため、情感が伝わりやすいのだろうと思います。音楽は時間芸術で、その時の高揚、感傷、情念などがそのまま表れます。ニーチェの哲学で言うディオニソス的魂で、そこに音楽が多くの人の共感を呼ぶ強みがあると言えます。自分がやっている彫刻は空間芸術で、その時の気分は作品に反映しません。粛々と積み上げる労働があるだけで、制作中の気分のコントロールは平常心を保つことに注がれます。これはアポロン的魂ですが、モニュメンタルな造形であればこその特徴とも言えます。情感に富む制作動機があっても結果を出すまでに時間がかかり、また素材を介在していくため物理的な認知も必要になります。同じ芸術表現であっても、まるで異なる精神の放出の仕方を改めて感じました。

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