彫刻家の師匠からの便り

別にお歳暮の季節に拘っているわけではありませんが、雪深い信州の山奥に住む彫刻家の師匠に、毎年この時期に辛口の日本酒一升を贈っています。師匠は制作の合間に日本酒で身体を温めているようで、先日感謝の電話がありました。便りを書いても凍結した山を下りるのは難しいとのこと、ならば電話で失礼すると仰っていました。奥様を亡くされて、一人で住居兼工房である長野県麻績の「エルミタ」に籠るのは如何ばかりか、岩手県の山中に籠った先人の彫刻家高村光太郎のようで、まさに師匠池田宗弘の生活はどんなものか想像に難くありません。「君の工房では陶土は凍らないだろう?工房にストーブはあるのか?素材を扱っていると時間が経つのは早いよな。」と他愛のない会話を交わしましたが、70代とは思えない溌剌とした声が聞こえてきて安心しました。冬を迎える度に、池田先生はどうして麻績の山奥に工房を構えたのか、加齢で足腰も弱くなるだろうに、先生はそんなことを考えなかったのかと家内に言ったら、池田先生は夏の気候と作品の置き場を考えたのであって、「エルミタ」で何かあった時の覚悟は出来ているのではないかという答えが返ってきました。先生なら然も有りなんと思った次第です。

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