鑑賞についての覚書

洋の東西を問わず優れた芸術品を集めた展覧会は、マスコミの情報もあって大変な人気となり、入場制限がかけられる時があります。20代から美術に関わっている者としては嬉しい限りです。鑑賞されている方々から漏れた言葉を聞いていると、かなり専門的な知識がある人もいて驚かされますが、小さな子どもに説明している親御さんの語りかけには微笑ましさがあります。若い男女が、学校の美術の授業で習った絵だと呟いていたのを聞いて、学校教育の重要さを思わずにはいられません。自分にとって美術鑑賞とは創作への糧であり、散策を楽しむ機会です。さらに言えば創作活動には思索と実践があって、鑑賞が思索の窓口になり、それが制作という実践に繋がります。自分にとって鑑賞と読書は思索の肥しとして大切なものなのです。作品を鑑賞し、そこで何かを感じ取る、難解なものであれば背後にある哲学を捉え、作品の意図するところを考察する、そんな鑑賞の方法を自分に課しています。歴史で認められた比較的平易なものであれば、その表現の深さを味わい、現在進行中の美術の価値観を問うものであれば、その論拠としているものを知る、時に書籍を参考にする場合もあります。そんな思いをもって自分は画廊や美術館に出かけています。

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