渋谷の「レオナール・フジタ 藤田嗣治展」

藤田嗣治(レオナール・フジタ)の画業は何回かNOTE(ブログ)で取り上げていますが、東京渋谷にあるBunkamuraザ・ミュージアムで開催されていた「レオナール・フジタ 藤田嗣治展」に先日行ってきました。乳白色の肌をもつ裸婦の絵画を見ると、西洋画に東洋的な微妙で細密な表現を入れたフジタ特有の世界が広がって、当時のパリ画壇で人気を博した要因がよく伝わってきます。今回の展覧会で面白かったのが子どもをテーマとする作品群で、とくに「小さな職人たち」と称するタイル状のシリーズは、楽しく且つ下町風情の溢れる素敵な作品だと感じました。絵画のモティーフにしたい職業の数々、貧しいけれど懸命に働く人々を、子どもが演じる楽しさがありますが、実際に当時は年齢のいかない子どもが働いている場面もあったのかもしれません。もうひとつはフジタのアトリエにあった建築模型で、アトリエの室内を丹念に作り上げた楽しい立体作品です。小さな白い壁と石段や台所が西洋的情緒を醸し出していました。写真家土門拳等によるフジタの生活を写した写真も楽しめました。ともかく楽しさ満載の展覧会で、週末に相応しい時間を過ごすことができました。

関連する投稿

  • ジャスパー・ジョーンズの素顔 これは私だけが感じることなのかもしれませんが、アメリカの現代美術の旗手は、誰でもカリスマ的風貌を持っていると信じて疑いません。アンディ・ウォーホルの風貌から受ける偏った印象でしょうか。それともジャク […]
  • 「至福」ベン・シャーン 画面の下半分には麦穂がたわわに実っている様子が描かれ、農夫がそれを眺めながら一人佇んでいる絵があります。アメリカ人画家ベン・シャーンによる「至福」という題名のついた絵です。「至福」はテンペラの他に同 […]
  • ふたりの画家 芸術家のアトリエや制作風景や周囲の環境を撮影した本を見つけると、すぐに買ってしまう癖があります。表題の本は写真家本橋成一氏による丸木位里・俊夫妻の日常を撮影したもので、とくにアトリエでの制作風景が気 […]
  • ピカソのポートレート ドアノー写真集「芸術家たちの肖像」の中で、やはり一番気を引くのはパブロ・ピカソのポートレートです。ピカソのポートレートは自宅にもう一冊、ディビット・ダグラス・ダンカン写真集「ピカソとジャクリーヌ」が […]
  • 写真集「証言と遺言」 先日、横浜新聞博物館で開催されていた「福島菊次郎展」に行ってきました。原爆投下後のヒロシマの一家族を被写体にして、当時の凄まじい生活を抉り出した世界は特筆に値します。視覚に訴える報道写真は、インパク […]

Comments are closed.