10月RECORDは「塔」

新作「発掘~層塔~」を作り始めているせいか、いつも塔のイメージが脳裏を過ります。「発掘~層塔~」のイメージは固まっていますが、塔には様々な形態があり、また造形的刺激を受ける建造物も多いのです。塔は見上げると天に近い崇高な雰囲気や、頂上に登れば周囲を俯瞰できることがあって、軍事的必要性や宗教的意図もあったと思います。西欧で暮らしていた若い頃に、どの街にも広場があり、広場に面したところに寺院や教会の塔が建っていることが、街を散策する上での目印にしていました。街の周囲を囲む堅牢な石壁と中央に位置する塔のある都市構造が、たとえそれが幾多の戦争により必然としての戦時体制を物語っていたとしても、日本人の自分には美しい都市景観として眼に映りました。そんな訳で今月のRECORDのテーマを「塔」にしました。世界に残る様々な塔建築をイメージの基盤に据えて、さらに幻想を膨らませ、日々小さな作品をやっていきたいと思います。

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