象徴主義としての枯山水

「~冒頭略~象徴主義が、自然主義の上に加えられていることは、日本庭園における根本概念であると共に、あくまでも、自然を尊重し、又は自然を基本としつつも、更に、より美しい自然へ、より崇高なる自然へ、より理想的な自然へといったように、より高度性を追及してやまぬものがあったと考えることができるのである。~略~後期式の枯山水にあっては、白砂を敷いて、これを海水としての表現とし、石を立てることによって、枯滝を表現するなど、あくまでも象徴主義がとられて行った~以下略~」と「枯山水」(重森三鈴著 中央公論新社)の文中にあるように庭園が室町時代になると空間芸術として変貌してきた様子が語られています。海原や山脈という風景を別の素材をもって表現する、そこに象徴化が生まれ、鑑賞者がその小さな庭園空間に想像力を働かせて、大いなる心象風景として楽しむというのは、まさに現代の造形美術と通じています。象徴化はアートへの第一歩で、単なる写実を超えて、美とは何かを問う哲学が構築されると自分は考えています。

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