「枯山水」を読み始める

「枯山水」(重森三鈴著 中央公論新社)を読み始めました。先月来、縄文文化に関する書籍を読み漁っていますが、古代日本文化の視点を変えずに、次なるテーマとして庭園を選びました。枯山水の歴史からすれば、縄文より時代は移り変わって平安や室町になりますが、その芸術性を考えるのは、場の彫刻を模索する自分にとっ大変勉強になると思っています。著者である作庭家重森三鈴は過去何回かNOTE(ブログ)に取り上げていますが、自分が最も関心を寄せる空間造形作家です。京都の重森三玲庭園美術館や東福寺の庭園を見に行って、その現代的感性に魅せられました。重森三玲庭園美術館では親族の方が案内してくださり、重森三玲を身近に感じることができました。本書の冒頭に「~前文略~枯山水は、東山時代から、必然的な時代の要求によって、本格的に出現したのであった。応仁の乱後の経済的無力、風俗習慣等の一大変化、禅宗の発展などが、その基本であった。そこに簡素化と、単純化と、したがって空間の処理とが創意された。そこに従来の池庭とは全く異質な庭園が出現したのであった。~略~新しく創作された枯山水は、従来の庭園と比較して、奇想天外な作品として誕生し、創意にあふれた永遠のモダンが内在的に発展したのであった。」とあるように枯山水は、恰も前衛芸術の如く出現し、愛好家を魅了して現在に至っているのです。通勤電車の中で枯山水に思いを馳せながら楽しんで読んでいきたいと思います。

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