銅鐸演奏を思い浮かべ…

このところ日本の古代文化に対する興味が湧いています。現在読んでいる古代音楽に関する書籍に面白い場面があって注目しました。「演奏当日、橿原考古学研究所に総勢三十名のスタッフが集まり準備を始める。テレビ撮影隊、録音隊、ボランティア・スタッフ等、誰もが未知の演奏に期待を募らせている。標高百九十九メートルの畝傍山は車で登れず、登山口の山口神社から山ツツジの映える狭道を各自が機材を担いでゆく。古い社跡を残す山頂広場。その北端の何本かの常盤木に囲まれた所に、宮大工さんによって十方形のやぐらが建てられる。そのサルスベリの木枠の一辺一辺に二個ずつ小型の銅鐸を、やぐらの中央を交差する接点には大型の銅鐸を吊す。それら黄金色の銅鐸が目にまばゆい。やぐら横には三本柱を円錐状に建て、そこに南中国からインドシナに分布する銅鐸を吊し、小型の銅鐸一個もぶらさげた。畝傍山の西方には二上山、葛城山、金剛山が見える。それら山々の稜線を夕陽が染め、やがて夜の帳が降りる。山頂の冷気が漂い、黄泉の国と化す。明けて四月七日午前二時四十五分、銅鐸が吊るされたやかたの中で、しばし静謐を保った後、大地を裸足で踏みしめながら演奏に入っていく。~以下略~」長い引用になりましたが、「縄文の音」(土取利行著 青土社)の冒頭にあった銅鐸の演奏風景です。著者は再現された銅鐸で古代の音を探ろうとしています。打楽器奏者としての著者が面目躍如としていて、読んでいる自分も古代に誘われていくような思いがしました。

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