縄紋人の心の探求

このところ連日NOTE(ブログ)にアップしていますが、今日も「渦巻紋と輪廻転生」(藤田英夫著 雄山閣)から引用した論考を使ってNOTE(ブログ)を書きます。「縄紋人の心を探求するとき、物の外観だけで判断する人ではなく、その内部に秘められた力が外ににじみでる文化を感じ取り、それを文字に置き換えて大胆に表現できる才能が必要である。外観ではなく内部に秘められた心の内部を読む技術は、前衛彫刻や抽象画の表現技術にも似ている。それはとりもなおさず、研究者は縄紋人と同じ状態になることが求められることを意味する。即ち前衛芸術を理解できない人には、この仕事はまず無理なように思う。また、あれだけ素晴らしい芸術土器と土偶を作った芸術家が大勢いたのであるから、ほかの文化である音楽、踊り、宗教行事などの分野でも当然優れた才能ある人たちがいたと考えなければ理屈が成り立たない、との基本理念で研究を進める必要がある。」限りある出土品の中で縄紋人の心にどのくらい迫ることができるのか、生命力に溢れる火焔土器等がどんな背景と環境で作られたのか、イメージするだけで興味が尽きません。以前に読んだ岡本太郎著の「日本の伝統」の中に縄紋土器に関する文章があります。「強烈な矛盾に引きさかれ、それに堪え、克服する人間の強靭な表情を縄文土器ほどゆたかに誇り、しめしている芸術を私は知りません。」といったことを思い出しながら、縄紋時代に思いを馳せつつ工房で陶土と格闘している自分がいます。

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