欠如を補う行為

情緒が安定しない時は、周囲の人とも良好な関係が保てず、バランスを欠いていることすら気付かないことがあります。そうした中で何かを見出すことは難しいと思います。自己の内面を吐露する創作活動でさえ情緒が安定していることで凝縮した世界が表現できると考えます。才能に絶望して自ら命を絶つ芸術家がいますが、狂気となるのは一時だけで、咄嗟の出来心が悲劇を生むのではないかと推察いたします。創作は心の安定の上に立って、さらにそこに欠如を見出し、それを補う行為だと自分は考えます。逆に全て満たされては創作する魂を失い、駄作に甘んじてしまうとも考えられます。欠如を補おうとして何かを渇望し、尋常ではない集中力をもって作られたものは、鑑賞者の心を揺さ振るパワーが宿ると自分は信じています。欠如を補う行為、これが創作に限らず、全てのパワーの源かもしれません。

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