彫刻家土方久功について

先日、古書店で見つけた土方久功の詩集「青蜥蜴の夢」を開くと美術家の視点から詩を綴っているものが収められていて、昭和初期の美術界・文学界の雰囲気が伝わってきます。土方久功は彫刻家でした。しかもパラオに出かけ、そこで作品を残しています。ゴーギャンを彷彿とさせる稀有な芸術家とも言えます。土方久功という彫刻家を自分が知ったのは最近のことで、5年前に東京町田にある国際版画美術館で開催されていた「美術家たちの南洋群島」展で、初めて作品を見たのがこの彫刻家を知る契機となったのです。第一次大戦後、ドイツ領だった南洋群島を日本が統治することになり、土方久功を初めとする当時の邦人美術家がパラオに出かけて、始原的な生命感に溢れた作品を残しています。詳しい感想は2008年5月6日付のNOTE(ブログ)に掲載していますが、土方久功が美術制作と併せて詩を書いていたのは、さらに最近になって知りました。彼の生きた時代とともに一人の彫刻家の生涯を辿ることは意義のあることと考えています。

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