鬼気迫る「牧野邦夫展」

練馬区美術館は自分の住んでいる横浜から遠い場所にありますが、面白い企画展が多いので時々出かけています。現在開催中の「牧野邦夫展」はTV番組で知りましたが、その描写力に興味を持ちました。先日、同館に出かけていき、オリジナル作品を観て、その鬼気迫る表現に感銘を受けました。数ある作品の中で、自分は幻想性の強い絵画より写実描写に徹したものが好きで、自画像や女性像の的確で重厚な表現に惹かれました。レンブラントを師と仰いだ画家は、憧れが募り、レンブラントからの手紙を想定したり、モチーフを限定し豊かな形態解釈を獲得して自己を追求していたようです。西欧風の鎧で身を包む自画像は何を意味しているのか、主題上の謎が多いと感じましたが、鬼気迫る追求に情念を塗りこめた画面が深く脳裏に刻まれました。塔を描いた未完の作品は、61歳で他界した画家の無念を物語っているようでした。

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