「コーネルの箱」を読み始める

「コーネルの箱」(チャールズ・シミック著 柴田元幸訳 文藝春秋)を読み始めました。先日読み終えたジョセフ・コーネルの伝記に引き続いて、自分はまだコーネル・ワールドに浸りたい理由で本書を選びました。本書は図版中心の所謂作品解説集です。代表作が図版で掲載されているのが嬉しい限りです。コーネルの伝記によれば晩年の作品に至るまで、芸術家自身は創作意欲を維持する気構えでやっていたようですが、やはり初期に作られたボックスアートに私は深い詩魂を感じます。1936年の「無題(石鹸の泡セット)」や1942年作の「メディチ・スロットマシーン」に見られる凝縮した小宇宙に憧れさえ抱きます。当時の画商や収集家がコーネルの作品を所有したいと躍起になったことがよく理解できます。例えば自作の「発掘シリーズ」や「構築シリーズ」が箱の中で展開し、持ち運びができるとしたら楽しいだろうなぁとコーネルに託けて勝手な想像をしているうちに、そんなイメージが頭を過ぎりました。コーネル・ワールドは覗き見的な自己表現世界を作って密かな楽しみにしたい自分の欲求に応えてくれる媒体だと思っています。

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