「J・コーネル 箱の中のユートピア」読後感

「ジョセフ・コーネル 箱の中のユートピア」(デボラ・ソロモン著 林寿美・太田泰人・近藤学訳 白水社)を連休中に読み終えました。本書は独特な世界観を持つアメリカ人芸術家の伝記ですが、「箱の中のユートピア」という副題がついています。これは過去の思い出や未来への憧憬を小さな箱の中に閉じ込めた造形作家に相応しい副題だと思いました。ジョセフ・コーネルは自分が想像していた通りの生涯を送っていました。彼は生涯独身であり、家庭環境が及ぼす影響が大きい中で、繊細な魂を持ち続け、キッチュなものから高尚なものまで収集し、それを創造の源として作品を作り続けました。踊り子、女優、鳥、天体等々のアッサンブラージュを使った詩情溢れるボックスアートは、千葉にあるDIC川村記念美術館に何点か所蔵されているので機会があれば見ることが出来ます。自分もボックスアートに大変興味があるので、コーネルの思いを込めた作品にも関心があります。本書を読んでコーネルの創作世界の背景が解りました。ますます好きになるコーネル・ワールドをいつか自分なりに解釈してRECORDで試してみたいと思っています。

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