「夢の家ⅩⅩⅩ」雑感

「夢の家ⅩⅩⅩ」は1972年に作られたルイーズ・ニーヴェルスンの彫刻です。先日行ったDIC川村記念美術館「BLACKS展」に展示されていて、とくに印象に残った作品です。箱を積み上げて、その中に様々なモノをアッサンブラージュし、全てを黒く塗装したニーヴェルスンの彫刻は、壁面の大きな部分を占めて存在しています。そうした作品群とは、ちょっと趣を異にしているのが「夢の家ⅩⅩⅩ」で、箱を積み上げたユニットではなく単体で表現された作品です。ニーヴェルスンの作品にしては、比較的小さく縦に長い直方体で上部は切妻屋根になっています。一見すると積木細工のように小さな角度の付いた矩形で覆われていて、土俗的であり未来的でもある住居のようにも見えます。自作と繋がる要素を感じて印象に残りました。自分は表面に矩形が刻まれた碑が大好きで、人々の営みの記憶をそこに見て取るのです。「夢の家ⅩⅩⅩ」からそんな恒久なる歴史に思いを抱いてしまうのです。

関連する投稿

  • 制作&川崎の美術館へ 今日から休庁期間が始まる29日までは年次休暇をいただいて、職場には出勤せず、連続した制作時間を取ることにしました。毎日のように朝から工房に篭っていると、だんだん頭の中が現実離れをしてきて、不思議な気 […]
  • 横浜の「ヌード展」 私の地元である横浜美術館は、企画が優れている美術館のひとつだと予てより思っていました。今回も例外ではなく、人体のヌードに焦点を当てた企画に私は興味津々でした。この企画展は数か国を巡回する大規模なもの […]
  • 初台の「イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へー」展 最近まで読んでいた「イサム・ノグチ 庭の芸術への旅」(新見隆著 武蔵野美術大学出版局)の印象も覚めやらぬうちに、東京初台にある東京オペラシティ […]
  • 川崎の「イサム・ノグチと岡本太郎」展 先日、神奈川県川崎の生田緑地にある岡本太郎美術館に行きました。同館で開催中の「イサム・ノグチと岡本太郎ー越境者たちの日本」展が見たくて、久しぶりに木々に囲まれた岡本太郎美術館まで足を伸ばしたのでした […]
  • AKARIの展示について 先日、出かけた東京オペラシティ […]

Comments are closed.