「夢の家ⅩⅩⅩ」雑感

「夢の家ⅩⅩⅩ」は1972年に作られたルイーズ・ニーヴェルスンの彫刻です。先日行ったDIC川村記念美術館「BLACKS展」に展示されていて、とくに印象に残った作品です。箱を積み上げて、その中に様々なモノをアッサンブラージュし、全てを黒く塗装したニーヴェルスンの彫刻は、壁面の大きな部分を占めて存在しています。そうした作品群とは、ちょっと趣を異にしているのが「夢の家ⅩⅩⅩ」で、箱を積み上げたユニットではなく単体で表現された作品です。ニーヴェルスンの作品にしては、比較的小さく縦に長い直方体で上部は切妻屋根になっています。一見すると積木細工のように小さな角度の付いた矩形で覆われていて、土俗的であり未来的でもある住居のようにも見えます。自作と繋がる要素を感じて印象に残りました。自分は表面に矩形が刻まれた碑が大好きで、人々の営みの記憶をそこに見て取るのです。「夢の家ⅩⅩⅩ」からそんな恒久なる歴史に思いを抱いてしまうのです。

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